結婚相手への共依存

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あなたは、心から信頼できる人に出会えていますか?
もしあなたがアダルトチルドレンの状態に悩まされているとき、自分が選ぼうとしているパートナーも、同じ苦しみを抱えているかもしれません。

時々、「結婚を考えているパートナーが機能不全家族の中で育ったのではないか?」「そういう相手と結婚して、生活が上手くいくのか」というご質問をいただくことがあります。

温かい両親に囲まれて育った場合、両親と似たパートナーと結婚すれば幸せな結婚生活となるでしょう。

しかし、機能不全家族のなかで育ったアダルトチルドレンは、自分の両親と似た異性を配偶者に選んでしまう傾向があります。

たとえば、アルコール依存症の父親のいる家庭で育った女性が、配偶者として選んだ男性もアルコール依存症であることは珍しい話ではありません。

これが今回の質問である「アダルトチルドレンは共依存におちいりやすい」といわれている理由でもあります。

共依存とは、立場や役割に依存しているといってもいいでしょう。

アルコール依存症の夫もしくは妻、自分を犠牲にして支えるパートナーが典型的な共依存の例です。

小さい頃からずっと「世話される立場」ではなく、「世話する立場」にいたアダルトチルドレンは、互いに支えあう関係性には慣れていません。

困ったらカウンセラーへ相談

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第三者の目からみれば、アダルトチルドレンは小さい頃からさんざん親のアルコール依存症のせいで苦労してきただろうから、まさか親のような異性は選ばないだろうと思うはずです。しかし、アダルトチルドレンは過酷な家庭環境で生き抜く術として、子どもの頃から「親を世話する役割」を担ってきていることが多いのです。

長年の生活環境で身に付いてしまった行動は、「困った親を献身的に世話する」という立場に居続けることです。そのため、あんなに嫌だと思っていた父親と同じようなアルコール依存症の異性に、無意識に惹かれてしまうアダルトチルドレンが多いのです。

共依存とは周りから見ると世話をされる側が一方的に尽くしているように思われがちですが、世話をしている立場もその役割に依存しているといえます。人と人は支えあって生きていくのが当然ですが、共依存の場合は互いの関係性のバランスが崩れて過剰に依存し合っています。

日本であまりメジャーではありませんが、米国では共依存カップルでカウンセリングを受けるケースが大半です。「共依存している」ことそのものを本人たちがまず知って、互いに支え合える人間関係を新たに作っていくためには双方の協力が大切だからです。

共依存はいわゆる「2人だけの世界」にこもりがちになって、周りから孤立してしまいがち。どちらかが勇気を持って、カウンセラーやソーシャルワーカーなどの第三者に相談することが共依存から抜け出す第一歩なのです。